沖縄の那覇市に位置する福州園は、中国の古典庭園の美しさを感じさせる、訪れる者を魅了する庭園です。福州園は那覇市と中国の福州市の友好都市締結10周年と那覇市市制70周年を記念して1992年に開園しました。この庭園は約8,500平方メートルの敷地に中国の庭園設計技術を用いて作られ、伝統的な中国風の建築と沖縄の豊かな自然が絶妙に調和しています。
見どころ満載の庭園景観
心が洗われる水辺の景色
園内に一歩足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは美しい池です。「欧冶池」と名付けられたこの池は庭園の中心に位置し、周囲には巧みに配置された岩や石、緑豊かな植栽が水面に映り込み、絵画のような景観を作り出しています。
池には赤と白の鯉が悠々と泳ぎ、水面に映る東屋や岩石との調和が絶妙です。特に朝の静けさの中で見る池の風景は、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒しの時間を提供してくれます。
精緻な石造りの橋と建築物
園内には「飛虹橋」と呼ばれる石造りの橋があり、中国伝統の技術で一つ一つ石を積み上げて造られています。この橋を渡りながら眺める池の風景は、まるで中国の水墨画に入り込んだような感覚を覚えます。
また、「叢桂亭」「鳥塔」など、各所に配された東屋や建築物も見どころの一つ。鮮やかな朱色と緑の色彩が南国の陽光に映え、細部まで施された彫刻や装飾からは、中国建築の精緻な美を堪能できます。
季節を彩る植栽
福州園には四季折々の植物が植えられており、中国原産の植物や沖縄の気候に適した亜熱帯植物が共存しています。特に春には美しい花々が咲き誇り、初夏から秋にかけては緑豊かな景観を楽しむことができます。
蓮の花が咲く季節には、池一面に広がる蓮の葉と花が幻想的な風景を作り出し、多くの写真愛好家も訪れる人気のスポットとなります。
福州園を訪れる魅力
時間を忘れるほどの静謐な空間
那覇市内にありながら、ひとたび園内に入ると喧騒から離れた静けさに包まれます。石畳の小道を歩きながら、せせらぎの音や風に揺れる木々の音を聞いていると、時間の流れがゆっくりになったような感覚に陥ります。
忙しい観光の合間に、ゆったりと休息するスポットとしても最適です。園内のベンチに座って過ごすひと時は、旅の疲れを癒してくれるでしょう。
琉球と中国の文化に触れる学びの場
福州園は単なる観光スポットではなく、琉球と中国の深い関係性を学べる場所でもあります。園内には説明板が設置されており、建築様式や植物について、また琉球と中国の歴史的なつながりについて知ることができます。
時折開催される中国文化に関するイベントや展示も、この庭園の魅力をさらに高めています。
アクセス情報
基本情報
- 住所：沖縄県那覇市久米2-29-19
- 昼開園時間：9:00～18:00
- 夜開園時間：18:00～21:00
- 休園日：毎週水曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始
- 入園料：昼・大人200円、小中高生100円 夜・大人300円、小中高生150円
- 電話：098-943-6078
アクセス方法
- ゆいレール「県庁前駅」から徒歩約15分
- 久米孔子廟前バス停から徒歩約5分
- 那覇空港から車で約15分
- 那覇ICから車で約30分
まとめ
福州園は、那覇市内にありながらも喧騒から離れた、心静かに過ごせる特別な空間です。中国式庭園の美しさと琉球の歴史が交差するこの場所は、沖縄観光の中でも異彩を放つスポットといえるでしょう。
忙しい観光スケジュールの合間に、ぜひ立ち寄ってみてください。池の周りを静かに歩き、東屋で涼をとりながら過ごす時間は、きっと沖縄旅行の素敵な思い出になるはずです。琉球と中国の絆を感じられる福州園で、心地よい「時間の流れ」を体験してみませんか。
