日本には、四季折々の美しさがありますが、中でも桜の季節の金沢は格別です。日本三名園のひとつ「兼六園」では、昼間に眺める満開の桜と、夜になると水面に映りこむ幻想的な夜桜の光景が楽しめます。池に揺らぐ桜の姿は、まるで時間が止まったかのような静けさ。ライトアップされた桜と古木のコントラストも、この時期だけの贅沢な風景です。
すぐ隣にある「金沢城公園」では、城を背景に咲く桜並木が圧巻。石垣と白壁に映える薄紅の花びらは、まるで時代を越えて残る絵画のよう。夜になると、ライトアップされた金沢城と桜の競演が始まり、昼間とは違う趣に心を奪われます。
さらに、「ひがし茶屋街」と「主計町茶屋街」では、夕暮れから灯るぼんぼり（提灯）の柔らかな灯りが、桜咲く街並みを静かに照らし出します。格子戸の奥に灯る行灯、桜の枝をくぐり抜けるそよ風。歩くたびに、どこか懐かしく、優しい風景が心に染み渡ります。
今回は、そんな金沢の桜名所を、「昼」と「夜」、それぞれの時間の移ろいとともにご紹介します。
同じ場所でも、昼と夜でまったく異なる表情を見せる金沢の春の風景。どうぞ、あなたの旅の参考にしてみてください。
兼六園
■昼の兼六園
春の兼六園は、咲き誇る桜の花と庭園の松の緑が織りなす見事なコントラスト。湖面に映る桜がまるで鏡のように美しく、歩くたびに風景が変わるのも魅力です。園内には桜が点在し、昼間の柔らかな日差しの中で花びらが舞う光景は、まさに春爛漫。
■夜の兼六園
夜になると、園内の桜はライトアップされ、池に映り込む夜桜の姿は息をのむほどの幻想美。水面に揺れる桜と、ぼんやり灯る石灯籠、そして静けさに包まれた庭園の風景は、日常を忘れさせる別世界。この時期の夜の兼六園は、訪れた人しか味わえない特別な時間です。
金沢城公園
■昼の金沢城
城を囲む石垣沿いに咲く桜並木は圧巻の美しさ。白壁と青空、薄紅の花びらが織りなす風景は、まるで歴史絵巻のよう。特に三十間長屋を背景に咲く桜は、金沢ならではの情緒が漂い、絶好の撮影スポットでもあります。
■夜の金沢城
夜の金沢城は、ライトアップで浮かび上がる石垣と桜の幻想的な競演。ほんのりと灯る照明が、夜桜を優しく照らし、白壁が闇夜に映えてとても美しい。昼間の賑わいとは打って変わり、静けさに包まれる夜の公園で、夜桜と金沢城の姿に心癒されます。
ひがし茶屋街・主計町茶屋街
■昼の茶屋街
風情ある格子戸の町家と、咲き誇る桜。石畳の路地を歩けば、どこか懐かしい江戸の情緒が漂います。日中はレトロな街並みを散策するだけでも心踊る時間と川沿いの桜に時を忘れる一時に浸れます。
■夜の茶屋街
夕暮れから灯り始めるぼんぼりと行灯の灯り。夜の茶屋街は、昼間とはまったく違う艶やかさ。桜の花びらを照らす提灯の柔らかな光、格子戸から漏れる行灯の灯りが、夜風に揺れる花びらとともに幻想の風景を作り出します。川沿いの主計町では、水面に映る提灯と夜桜の風景も必見。
📖まとめ
桜の季節の金沢は、昼と夜、まるで異なる表情を見せてくれる特別な街。今回ご紹介した風景は、この季節だけの贅沢なひととき。写真に収めるのもいいですが、ぜひ実際に足を運び、五感で春の金沢の静かな物語を心に刻んでみてください。
