ドアを開けた瞬間、スクリーンの向こうが現実に繋がっていた——そんな体験が待つのが、天王洲・寺田倉庫エリアの「ジブリの立体造型物展」です。映画で見た“あの場所・あの時間”を、職人の手で立体に起こし、質感まで再現した空間の旅。世代を問わず胸が高鳴り、写真を撮る手が止まらないひとときでした。
※写真は許可された場所のみ掲載しています。
二次元から三次元へ:展示の魅力








「ジブリの立体造型物展」の最大の魅力は、スタジオジブリの名作映画に登場するアイテムや乗り物、キャラクターたちが実物大で再現されていることです。
展示の中でも特に目を引くのが、「となりのトトロ」のあのシーンの風景、「天空の城ラピュタ」のシーターの救出シーン、「ハウルの動く城」の城の実際に動くミニチュアとカルシファー、「もののけ姫」のモロなど、映画の中でしか見ることのできなかった乗り物や建造物の立体模型です。これらはすべて、細部まで忠実に再現されています。
ただ見るだけでなく、シーンの一部を再現した実物模型に入り込み映画の一場面に自分が立っているような不思議な感覚を味わえる写真撮影が出来ます。






世界中で愛されるジブリの魔法
スタジオジブリの作品は、日本国内だけでなく世界中で愛されています。
本展では、各国の文字でデザインされたポスターがずらりと並び、世界に広がっていくジブリの旅路が一望できます。
目を引くのは、どの国の版も“ジブリらしさ”を壊さないように細やかに配慮されている点。現地の配給・プロモーターは、広告規定や年齢区分の基準に合わせつつ、できるだけ手を加えずに上映へたどり着くための調整を重ねてきました。その葛藤と工夫が、ポスター1枚1枚に刻まれています。
これらのポスターを見比べることで、同じ作品でも国や文化によって受け取られ方や表現方法が異なることがわかり、ジブリ作品の普遍的な魅力と同時に、各国での受容の多様性を感じることができます。
※このエリアは写真禁止エリアの為、写真が無いのが残念ですが、その国の文化や芸術性が反映されたポスターになっているのは面白いです。
海賊版との闘い
アジア諸国でのジブリ作品の普及には、海賊版との闘いという大きな障壁がありました。展示では、香港や台湾、中国大陸で流通していた海賊版DVDと正規版を比較展示し、その問題の深刻さを伝えています。
海賊版は単に無許可で複製されただけでなく、時にはストーリーが改変されたり、低品質な吹き替えが施されたりすることもあり、ジブリ作品の本来の魅力が損なわれるという問題がありました。
この問題に対処するため、スタジオジブリは各国の配給パートナーと協力し、正規版の迅速な供給や価格設定の見直し、さらには同時公開戦略などを展開。特に「ハウルの動く城」以降は、日本公開とほぼ同時期にアジア各国でも公開されるようになり、正規版の普及に大きく貢献しました。
魔法は続く:おわりに
「ジブリの立体造形物展」は、アニメーションという二次元の世界と、私たちが生きる三次元の世界を繋ぐ、まさに魔法のような展示です。
スタジオジブリ作品の魅力は、そのストーリーだけでなく、細部まで描き込まれた世界観にもあります。その世界観が立体造形物として目の前に現れる体験は、映画を見る時とはまた違った感動を与えてくれるでしょう。
アクセス情報・会期・料金
■アクセス情報
- 〒140-0002 東京都品川区東品川2丁目1(寺田倉庫 B&C HALL/E HAL)
- 公式サイト:https://rittai-ghibli.com/
- 会 期2025年5月27日(火)-9月23日(火・祝)※チケットは完売しています。
- 開館時間9:30~20:00 ※最終入場は19:00
※5月27日(火)は、15:00開館とさせていただきます。 - ・りんかい線 天王洲アイル駅B出口より徒歩4分
・東京モノレール羽田空港線 天王洲アイル駅中央口より徒歩5分
■料金
- 大人1,900円(税込)中・高校生1,600円(税込)小学生1,200円(税込)※未就学児は無料
- チケットは時間完全予約制です、日程と時間を指定しての入場になります。
その他
展示をより楽しむためのポイントをいくつかご紹介します。
- 平日の午前中がねらい目: 混雑を避けて、じっくりと展示を楽しみたい方は、平日の開館直後の時間帯がおすすめです。
- 写真撮影OKの展示物をチェック: 展示物によって撮影可能なものと不可のものがありますので、案内表示をよく確認しましょう。特に人気の撮影スポットは、展示の前半に集中しています。